<不安症(不安障害)とは>
普段から不安や恐怖を感じることが多く、新しいできごとや外出を避けがちになります。不安、恐怖には様々な種類があり、対人不安(声や手の震えを含む、社交不安症)、突然の過呼吸や窒息感、動悸などのパニック発作(パニック症)、不潔恐怖(恐怖症)や確認強迫(強迫症)、自分の身体的な病気に対する過剰な心配(身体症状症)などが挙げられます。
ストレスによる適応障害、つらい記憶による障害としての心的外傷後ストレス障害(PTSD)については、「ストレス症状のページ」をご覧ください。
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社交不安症
- 主に児童期や思春期頃より、人前で発言したり行動したりすることに非常に強い不安を感じ、何とかしてそのような場面を避けようと努力するようになることがあります。1対1で話す場合は大丈夫であっても、数名以上の前で話す時に声や手が震えたり、顔が赤くなったり、頭が真っ白になって何も話せなくなったりします。このために生活や仕事に支障が生じるなど診断基準を超える場合には社交不安症と診断します。
パニック症、恐怖症、強迫症
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突然に、過呼吸、窒息感、手足の冷感など異常感覚、強い動悸などが生じ、行動できなくなる不安発作をパニック発作と呼びます。はっきりしたきっかけなくパニック発作が繰り返して生じる場合にはパニック症と診断されることがあります。
パニック発作と関係して、外出そのもの、電車に乗ること、自動車で高速道路を走るなどすぐに逃げ場を見つけられない状況に対する恐怖心が非常に強くなり、生活に差し障る場合には広場恐怖と診断されます。
他の恐怖症として、手の汚れなどが異常に気になり続ける不潔恐怖、高所恐怖や閉所恐怖などがあります。
強迫症と診断される病状には、手洗いなど清潔を保つ行動を止められなくなる手洗い強迫、火の元や戸締まりなどの確認を止められなくなる確認強迫、実際には問題はないのに自分が他人を傷つけたのではないかと心配になりその確認を止められなくなる加害強迫などがあります。
身体症状症など
- 内科などの身体科で検査しても異常は見つからないのに、自分自身が病気ではないかと気になって仕方ない(病気不安症)、あるいは、何らかの症状を自覚していてその治療のために奔走する(身体症状症)などのために生活に支障があり、診断基準を超えるときには身体症状症と診断します。
これらの不安症への治療として当院では、抗うつ薬や抗不安薬を主体とした薬物療法、不安や恐怖反応の軽減を目的とした認知行動療法、不安とつきあいながら行動できることを目的としたACT(第三世代行動療法)の中から患者御本人に適した治療法を選択して用います。